増えている糖尿病と痛風

普通に暮らせば、みんなメタボリックシンドロームまずは、少し太りがちな如代半ばの会社員の方を通して、その生活をのぞいてみることにしましょう。
彼は前日の疲れが少し残ったまま、目覚まし時計に起こされます。
顔を洗い、身支わ度を整えネクタイをしめると、沸かしていたお湯でインスタントコーヒーを入れました。
ちょっと寝坊してしまったので慌ててのどに流しこむと、カップをテーブルに置き、急いで駅に向かいます。
ホームに到着した電車は満員電車。
自分の周りの乗客に押されながら、その日のうあいそちに回らなくてはならないお得意様の顔を思い浮かべます。
愛想の良い人も、頭を下げなくてはいけない人もいて、少し胃が痛くなります。
お得意様の顔を思い浮かべてこごといるうちに、昨日やってしまったちょっとしたミスで上司からお小言をもらってしまったことを思い出します。
会社に到着すると、すでに自分の机の上に何かメモが置いてあります。
追加の仕事の指令でした。
朝から気が重くなります。
とりあえず、廊下に置いてある自動販売機に行き、栄養ドリンクと清涼飲料水を買いましたが、清涼飲料水をその場で飲みほしました。
パソコンと書類をかばんに詰めると、会社の車でお得意様まわりの開始であめす。
彼は、右手でハンドルを操作しながら、左側にいつも置いてあるコーヒー飴の袋を手探りしました。
飴をなめ始めてしばらくすると、最初の訪問先の会社が見えてきました。

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食欲の魔力に負けてしまう

彼は、なんとか午前中に回るべき会社を回り終えました。
予想以上に仕事がはかどぜいたくって、少しウキウキです。
今日は、ちょっとだけ賛沢してカツ井を食べることにしましにせおいした。
次の訪問先までに、いつもよりも時間があります。
途中にある老舗の美味しいすカツ井屋に入りました。
朝、何も食べていなかったこともあり、お腹が空いています。

彼は、自分へのごぼうびと考え、カツが大きくてご飯も大盛りの「スペシャル・力ッ井」を注文しました。
セットになっている味噌汁を飲みながら一気に食べる熱々のカツ井は美味しいものです。
少し食べ進めると、味が単調になってきたので、お店においてある特性のソースを足しながらなおも食べ進めました。
午後への活力が湧きます。
車に乗り込むと午後一番のお得意様へと向かいました。
夕方、会社にもどり、上司に仕事の報告をします。
一番懸念されていた、問題だった会社の訪問も無事終えることができました.「世の中は、案ずるより産むがやすしだよ」と上司に言われたときには、少しホッとしました。
そんな時、携帯のバイブレータがブルブルいいました。
表示に従ってアプリを起動すると、万歩計が今日の目標達成が難しいことを知らせています。
「まだ、2000歩も歩いていないものな」数カ月前の検診の時に、運動不足を産業医から指摘され、一日に少なくとも5000歩ぐらいは歩けるだろうと思って最低ラインを4000歩に設定していたのです。
夕方になっても半分にも届いていませんでした。
「車移動だから、毎日の目標達成はむりだな」と、汗だくで小太りな自分をなぐさめます。

アルコールの誘惑

「仕事、終わりそうなんだろ。
今日、一杯どうだい?」と、同僚が後ろから一眉をポンとたたきました。
「俺は、会社にカンヅメになってしまって、昼飯カップラーメンだったんで、飲みに行きたい気分なんだ」「そうだな、こっちのほうはうまく片付いたし、飲みに行くか」彼は答えました。
「ところで、お前、この前の検診で、肝臓の数字わるかつたんだろ?」「そうなんだよ。
俺、酒あまり飲まないの知ってるだろ?先生にもそういったんだ。
そしたら、運動しろってさ」「なんだ俺と一緒じゃないか。
ま、いいか。
じゃ、いつものところで」彼は親指を立てて、外を指さしながら言いました。
「さっさと最後の仕事しあげ、ようぜ」「こっち、こっち」彼が行きつけの居酒屋に入ると奥のほうで友人が手を振っておいでおいでをしています。
小さなテーブルの前に座ると、目の前には熱々のモッの煮込みから湯気が立ち上っていました。
「とりあえず、中生ビール」彼は店員さんにオーダーをしました。

店員さんが「今日は、北海道フェアで、国産薄切りステーキがいつもの半額の800円ですよ。
この半額の値段で、季節の甘いマッシュポテトもついてきますよ」と悪魔の誘いをささやきます.「さらにおまけとして、美味しい牛乳で作ったアイスがデザートでつきます」「今日は、ご飯大盛りのカツ井を昼に食べたからいいや.あんまり動いていないし」と彼は断わりました。

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食事の後にまた食事

仲間との酒は楽しいものです。
レバーやモッの串‐焼きや、焼き鳥をつまみに日本酒しおからしゆとうも進みます。
彼は、塩辛や酒盗といった塩辛いものも大好きでした。
特に今日は、仕事が少しうまくいったこともあり、気分がよくなってきました。
お腹がちょっと空いてきました。
そういえば、「ステーキが半額だったな」と思い出しました。
大学時代、運動部だった彼は、仲間と食べ放題の焼肉屋で肉をお腹いつぱいになるまで食べ続けたことを思い出していました。
おまけのアイスクリームも美味しそうです。
アルコールがあまり飲めない友人も、食べたいと言っています。
「俺はあまり飲めないから、食べ物でもとをとらなくっちゃ。
割り勘だし」「じゃ、オーダーするか」彼は店員さんを呼びました。
お酒が進む日は、食事も美味しいものです。
「食べ物びびが美味しいというのは、元気な証拠だ。
大学生の時の量に比べたら、微々たるものだし.今日は、お店の戦略にマンマとはまることにするか」と彼は思いました。
ステーキもアイスも食べて、ちょっとお腹いっぱいになって良い感じです。
友人との楽しい会話をつまみにして、お酒は焼酎の水割りになっています。
時間も遅くなってきました。
「あ-遅くなって、またお腹へっちゃったなぁ。
板ワサか、あたりめぐらいを頼もうか……」と思っていたその時、店員さんがやって来ました。
「ヘルシーなザルソバいかがですか?うちの店主、こう見えてもソバが打てるんですよ。
うちで作っているのでお安くできます。
おこ方分で、お一方分の値段にさせていただいた上に大盛り無料です。
」「お、いいね。
ソバってお酒に合うんだよね。
ラーメンよりカロリー低めでいいんじ卯やない?」と友人もすすめます。
「ソバならヘルシーでいいか。
じゃ、お願い」と言って、彼はにっこり笑いました。
「ああ、明日も胃がもたれるかもしれないな。
お酒もたくさん飲んじゃったし、午前中はギリギリ出社でのんびり働くか……」と、ぼんやりした頭で考えました。

サイレントキラーとメタボリックシンドローム

糖尿病とサイレントキラー

読者の皆さんには、一生懸命働いている彼の後ろにひたひたと忍び寄るサイレントキラーが見えましたか?サイレントキラーは「静かなる殺し屋」という意味です。
足音もなく近寄ってきて、ターゲットの命を奪うという恐ろしい殺し屋です。
メタボリックシンドロームの一つである糖尿病は、増加の一途をたどっています。
厚生労働省の調査結果(平成昭年国民健康・栄養調査結果の概要について)では、糖尿病が強く疑われる人は約820万人。
糖尿病の可能性が否定できない人は約1050万人、合わせて約1870万人と推定されています.1997年ではそれぞれ約690万人、約680万人とされていましたので、倍増しています。
1955年に比べると、訓倍に糖尿病は急増しています.ここ皿年間でも急増しています(図1)。
如歳以上の壮年期では、男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリックシンドロームが強く疑われるか、予備軍と考えられています。
2011年に実施された香川県の「県民健康・栄養調査」によると、国民平均を大きく超える狸・6%の成人男性が糖尿病の有病者またはその予備軍であることが判明しました。
また米国では、初めて行なわれた青少年の調査の結果、2009年までの8年間で肥満患者の増加に伴い2型糖尿病が型%増加していることが判明しました。
国を越えての糖尿病の激増ぶりがわかります。
また、米国や香川県の食事などの生活の分析は、糖尿病の原因についての、何かヒントを与えるかもしれません。

糖尿病や痛風の遺伝的素因

騨臓からのインスリンがまったく作られなくなってしまう1型糖尿病は、欧米人に多くみられます。
1型糖尿病は、騨臓の細胞を自分で攻撃してしまうために引き起こされるものですが、遺伝的素因が強く関係しています。
一方、日本人に激増している糖尿病は2型糖尿病と言われるもので、幾つもの要因が重なって起きてくる体の異変です。
日本人のインスリン分泌が少ないことも要因の一つです。
糖尿病を引き起こす遺伝的要素は、さまざまな角度から研究されています。
これまでは、インスリンやインスリンの受け皿、体で糖を利用する遺伝子が注目されていました。
最近になり、脂肪細胞が糖尿病に強く関係していて、その遺伝的特性に注目が集まっています。
さらにメタボリックシンドロームになると複数の悪循環が起きてきて、糖尿病が悪化します。
痛風は、血液中に尿酸が多くなり、発症する病気です。
血液中の尿酸は、体で作られる尿酸と、食事に含まれる尿酸の量と、体から便や尿で排池される尿酸の量の差になります。
体で作られる尿酸はメタボリックシンドロームになると増加します。
便や尿で尿酸を排池する能力は遺伝的に決まっています。
糖尿病も痛風も、遺伝的な素因の上に環境的な要素が加わって悪化していくと考えてよいでしょう。

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サイレントキラーと体の不可逆な変化

食物を食べると脳は幸福感を感じますが、過剰に摂取したエネルギーは真綿で首を締めるように私たちの命を縮めます。
私たちの体は、ケガや病気から回復する力を持っています。
ところが、ある一定のラインを踏み越えた大きなケガや病気からは、完全に回復することができません。

たとえば、肝臓に脂肪が溜まり障害をきたす「脂肪肝」といった状態であれば、気をつけて生活をすることで回復することができます。
ところが、脂肪肝が悪化して「肝硬変」になってしまうと、慌てて生活を改善しても、回復することができません。
回復できるような臓器の状態を可逆性変化、回復できない状態を不可逆性変化とも呼びます。
肝硬変だけでなく、血管が詰まってしまって起きる脳梗塞や心筋梗塞は、傷んだ組織が回復することができないため不可逆性の変化です。
もとに戻れるような状態の可逆性の状態の時に、悪いところを自覚して回復させていくことが肝心なのです。
メタボリックシンドロームという言葉が登場するようになったのは、サイレントキラーを抱え込まないように、それが近づいてきているようなら遠ざけたり、消し去ってしまうためです。
早いうちに自分で自分の体をメインテナンスすることは、それほどの費用はかかりません。
厚生労働省は平成型年に、メタボの人の医療費は、そうでない人と比べて1年あたり8万から皿万円も割高であると発表しました。
個人の経済負担が軽減するだけでなく、皆が健康を維持することで国の医療費全体が削減されるだろうという社会的な期待もこめられていました。

 

放っておくとどうなるのか

合併症の怖さを知る

糖尿病は、そのまま放っておいたらどうなってしまうのでしょうか。
糖尿病を放置すると体の血管が硬くなったり、目詰まりを起こしてしまうことが一番の問題です。
糖尿病の一二大合併症として、腎臓、脳や神経、眼の合併症の障害が有名です。
これらの臓器の障害に対していろいろな治療方法が考えられていますが、いったん悪化しはじめると、その進行が止められないのが悩みの種です。
最悪の場合、腎臓の病変の場合は人工透析、眼の場合は失明となってしまいます。
糖尿病の脳に対する影響は、血管病変による脳梗塞や脳出血だけではありません。
後述のようにアルツハイマー病にかかる割合も高くなります。

手足に分布する神経の障害は、末梢神経障害とって痛みを感じなくなるために、ケガをしても気づかなくなります。
足にケガをしたまま化膿してしまい、糖尿病による免疫力低下と血流低下から切断を余儀なくされることもあります。
糖尿病の足のケァヲットヶァ)を行なう医療者が、独立した専門職になっているぐらいです。
.また血管障害は、心臓に行く血管が詰まってしまう心筋梗塞、脳に行く血管が詰まる脳梗塞も引き起こします。
太い血管が硬くなり、詰まりやすくなった結果、手や足の血行が悪くなります。
そのため、最悪の場合、切断、といったことも起きてきます。
歌手の村田英雄さんが糖尿病からくる合併症のために足を切断したことは有名です。
車椅子で舞台に上がりつづける姿は壮絶なものでした。
彼は、心臓のバイパス手術を受けていたことでも知られています。
糖尿病は、日本の死亡率一位のがんとも関連があります。
糖尿病は人の免疫力を落とします。
免疫機能はインフルエンザや肺炎といった感染症や、がん細胞から私たちの体を守っています。
私たちの体には、常にがん細胞も含む不完全な細胞が生まれています。
こういった細胞はすぐに免疫細胞がやってきて取り除いてくれますが、糖尿病になってしまうとお目こぼしが多くなります。
糖尿病になると、血液中を流れるインスリンやインスリン様成長因子(IGF‐1)というホルモンが必要以上に増加します。
これらのホルモンは、がんを促進することが知られています。
糖尿病の合併症は、どこか一カ所が悪くなるというより、起き始めるといろいろな治りにくい病気が全身的に、しかも同時多発的に進行してしまう厄介さを抱えています。

痛さで動けなくなる痛風

痛風もまた、わずらわしい病気です。
痛風の痛さが言葉で表わせるものではないことは、大柄で屈強な患者さんが涙を浮かべる様子を拝見してもわかります。
しかも、一回発作を起こしてしまうと、クセになり、何回も、この痛い発作を起こしてしまうことになります。
私のクリニックにテレビ局が取材にいらっしゃった時、プロデューサーさんが「うちのスタッフ、痛風持ちが多いのよれ。
痛風発作が起きると、動けなくなってしまうから損失が大きいのよ」とおっしゃっていました。

実際、昇進がかかっていた海外出張の前日に激しい痛風発作が起きてしまい、泣く泣く大切な出張をライバルに代わってもらったというエピソードをうかがったこともあります。
彼は、「だから俺はぜつたい、もう痛風発作は起こさない」と今でも治療に専念されています。
尿酸値が吉向いと、痛風の原因となるばかりではなく、腎臓から勝耽へ尿を送る管である尿管内で石になってしまうことがあります。
これが尿管結石ですが、激しい痛みは経験しないとわからないものです。
高尿酸血症は、結石だけではなく腎臓の障害をきたすことも知られています。
人間は、ここ一番という時に限って具合が悪くなるものです。
普段からの準備が大切です。
糖尿病も痛風も、きちんと管理しないと生活に大きな障害をきたすことになります。

健康のための2つの指針

健康のための7つの習慣

健康のための2つの指針をお示ししようと思います。
1つ目は、2012年4月に卯歳で亡くなられた、公衆衛生が専門のブレスローのこPのの計の儲犀の、}o一言)教授が「ニューョーク・タイムズ」紙上に遣した言葉です。
「健康的な習慣と長寿」(ミゴ。
自国一(の旦函の四三昌爵胃の騨己侶○品目詩)という文章の中に記されています.公衆衛生というのは、人々の健康を保つためにどうしたらよいのかを観察する学問です。
理屈ではなく、長い間どんな人が健康的で長生きをするのかを、実際に研究した先生の言葉ですから、重みが違います。
言葉を実証するように、ご本人も長生きでした。

他の資料からも少し補ってみるとこうなります。
とても簡潔です。

「7つの健康的な習慣」
1運動すること。訓分ぐらいの運動を週数回行ない、一生懸命歩くこと。
2きちんと規則正しく寝る.7〜8時間は良眠をとること。
3タバコは絶対にダメ。
4飲酒は控えるか、飲んでもちょっとだけにする。できるだけ飲まない。

5食事は回数にかかわらず、毎日決まった時間に規則正しく食べること。間食は
控える。
6体重計なんか忘れてしまいなさい。そのかわり、適切な体重を維持すること。
7朝食は毎日食べよう。

 

傑作なのは、体重計の値の変動に一喜一憂なんかしない代わりに増加しつづけることは避けようという教えです。
酒は百薬の長ではなく、控えるべき対象物となっています。
そして禁煙。
また、先生の「7つの習慣」に貫かれているのは、規則正しく暮らすという姿勢です。
朝食を取り間食を控えるというところにも、それは現われています.厚労省の調査では朝食の欠食は、メタボが悪化する釦?如代で増えています。
なぜ、この7つの習慣が健康的な長生きに必要なのか、最近になってやっとメカニズムが少しだけわかって来ました。
ブレスロー先生が、理論よりも、長年の研究の結果を通して得た慧眼には驚かされます。
日本にも、古くから「早寝、早起き、快食、快眠、快便、腹八分、酒少々」という戒めがあります。
東西問わず、古来から現在まで人間の命は共通のメカニズムが働いているようです。
私たちは、彼らの言葉に素直に耳を傾けることにしましょう。

 

炭水化物と植物性油を減らす重要性

もう一つは、食事の話です。
詳しくは別章で述べますが、最近の先進国の食事には炭水化物が多いことが問題視されるようになってきています。
2012年5月の「ニューズウイーク」に「だまされるな!肥満の常識は常識じゃない」(注1)という記事が掲載されました。
さらに米国ではその後、肉食を避けるコレステロール制限と運動を一生懸命にやるキャンペーンを大々的に行なったにもかかわらず、肥満者は増加していきました。
米国の栄養指導の何かが間違っていたというのが、この記事の趣旨です。
振り返ってみると、経済状況の悪い大恐慌時に安価な炭水化物食の増加とともに肥満者も増加していたのです。
患者さんにもよく質問されますが、食事の脂肪だけが体の脂肪になるわけではありません。
過量の炭水化物糖は、体の中で脂肪に変換され蓄積されていきます。
米国ではこれまでのコレステロール制限食オンリーから脱却し、炭水化物、糖質制限食に大きぐ舵を切ったと、私は考えています。
ニューョークの市長が、2012年5月釦日に肥満対策として、レストランや映画館などで大型サイズの甘味飲料の販売を禁止する方針を打ち出しました。
これは、糖質による肥満を抑制するという方針の延長線上にある、と考えられます。

 

動物性と植物性l油の種類とGPR120

2012年になって京都大学ゲーム創薬科学分野のチームが画期的な報告を行ないました(注2)。
細胞の表面にあるGPR120という脂肪へのセンサーの調子が悪いと、肥満とともに糖尿病などのメタボリックシンドロームが引き起こされやすい、というものです。
オメガテ」のGPR120は、「“3脂肪酸」という、魚油に含まれる脂肪の成分へのセンサーです。
京都大学のチームは①3脂肪酸が、肥満とメタボリックシンドロームの予防になることを示した画期的なデータをつきとめたのです。
そもそも魚油の⑩3脂肪酸は、海の植物性プランクトンが太陽の光を受けて作り出したもので、自然界に存在するものです。
北極海の氷の下に多くの植物性プランクトンがいることをNASAが衛星による観察で発見したことも、話題をさらいました。
太陽と海が作り出した⑩3脂肪酸を、魚介類が運んでくれているのです。
どこかで問いたことありませんか?一昔前の「リノール酸たっぷり」とかいうキャッチフレーズ。
そうです。
リノール酸は、一般的に使われる植物油の主成分で、①3脂肪酸とは異なる不飽和脂肪酸で、陸上の植物の油の主成分です。
シソ油やエゴマ油などあまり流通していない特殊な植物油だけが①3脂肪酸を含みます。
オリーブ油は、オレイン酸と抗酸化物の混合体ですので良い植物油と言えます。
これまで摂取するのが「健康的とされていた」一般的な植物油は、GPR120を十分刺激することができません。
過剰な植物性油脂は、GPR120を刺激できないため肥満につながりやすいだけでなく、分解産物のアラキドン酸による炎症反応も注目されています。
2012年6月に国立がん研究センターは、魚油の①3脂肪酸は、ウイルス性肝炎があったとしても肝臓を守る作用があり、結果として肝がん予防効果があると発表しました(注3)・ファストフードは、酸化しにくい人工的なトランス脂肪酸を含む植物油が大量に使われています.トランス脂肪酸を作る際に発生する副産物の問題も指摘されています。
一方で、これまで悪役だった、バターやラードなど自然界に存在する動物性油脂は、脂溶性ビタミンが含有されているだけでなく、人間が自然に代謝できる油脂として見直されてきています.植物性油脂なら必ずしも健康的というわけではありません。
炭水化物と植物油を減らすという「引き算」と、①3への「置き換え」が重要です。

増えている糖尿病予備軍

NASHIナッシュって何?

冒頭のエピソードに登場する友人は、「俺は酒をそんなに飲まないから大丈夫なんだ」と言っていました。
「でも、肝臓の数値が悪いんだよね」とも、こぼすことが多くありました。
普通、お酒で肝臓を壊すならわかりますけれども、彼はあまり飲みません。
不思議な話ですね。
お医者さんたちも、飲酒と関係のない肝臓の障害を不思議に思いました。
そして、いろいろな研究の結果、驚くべきことがわかりました。
女性でもけつこう多くの人々が、こういったアルコールによらない肝臓の障害をきたしていたのです。
そして、その病気をナッシュと呼ぶことにしました。
ナッシュは、NASH(zo冒‐四?。

言胃の尉胃島g昌爵)非アルコール性脂肪性肝炎というものです。
もともと、アルコール中毒者と似た肝障害をきたす人々が、アルコールを飲まない肥満者に多いことが、発見されたことに始まります。
ガチョウや鴨などの大型の鳥を固定して動かなくさせた上で、口からジョウゴでどんどん穀物の餌を食べさせるとフォアグラができます。
フォアグラは含まれる脂肪が旨味の特長で、チョウザメの卵のキャビア、豚に探してもらう土中のきのこのトリュフとともに世界の三大珍味の一つとされています。

もともと肝臓は暗赤色ですが、フォアグラは白っぽい黄土色をしています。
肝臓の細胞に穀物の炭水化物から生産された脂肪分がたくさん蓄積された結果です。
動物では無理やり食べさせないとできない脂肪肝が、人間ではいとも簡単にできてしまうところが恐ろしいところです。
脳は甘いものが大好きなので、簡単に炭水化物を摂りすぎてしまいます。

実は恐ろしい〃フォアグラ〃の肝臓

実は、「俺、肝臓がちょっとフォアグラになっちゃって」では済まされないものです。
肝臓は、食事の時に急激に増加する栄養分を一過性に蓄積し、食事が取れないときに放出します。
私たちはこの肝臓のガンバリのおかげで、食事の時間をあまり気におびしなくても、エネルギーの過剰と不足に怯えることなく、普通に生活することができます。
食事から入ってくるエネルギーは、肝臓に脂肪としても蓄えられますが、それが過剰になると脂肪肝となります。
実際ナッシュは、糖尿病や高脂血症といった、メタボリヅクシンドロームを素因として発症することが多々あります。
食事を制限して肝臓への脂肪の蓄積を減らし、運動を増加させて肝臓内の脂肪を使えば、多くの脂肪肝は改善します。
ところが、ナヅシュの中には、肝臓の機能が失われていく肝硬変に一直線に進んでしまうことのあることが明らかにされました。
「フォアグラ」は早めに退治しましょう。

女性にも多いナッシュ

メタボなサラリーマンに脂肪肝が多いというだけであれば話は簡単なのですが、ナッシュは実のところ女性にもよく見られます。
ちょっとふくよかな如代の女性の患者さんは、採血をするたびに少しずつ肝臓由来の数値が増加していました.糖尿病の指標となるHBA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は、正常値をやや超える値になってきていました。
肥満になる前に糖尿病になる人もたくさんいます。
HBA1cは、糖尿病かどうかの基準になります。
最近HBA1cはNGSPという世界基準になったので6.5%以上が糖尿病の値です。
先ほどの女性は、「ちゃんと油ものは控えて、運動もしているのに」とおっしゃいます。
「でも、何か心当たりありませんか?」としつこく尋ねると、「あ、そうそう。
最近、パティシエっていうの?お菓子づくりの職人さんに興味が出てきて、友達と有名なホテルのケーキバイキングに行くようになったの」とのこと。
「だって、ランチタイムだとお得なの」と言います。
店にうかがってみるとランチタイムのケーキバイキングは、一定の時間内なら、いくらでも一流職人さんが作ったクリームたっぷり、チョコレートたっぷりのスイーッが食べられる仕組みのようです。
「職人さんのスイーッは見た目もとっても続麗で、それがいくらでも食べられるのよ・夢のようでしよ」と、楽しそうにお話しされています。
スイーッ好きの彼女には、天国のようです。
「う-ん」と、私はうなるしかありません。
きっと夢の国なんだろうな、と思いました。
「だって、脂肪肝って、ちょっと脂肪が肝臓についただけでしよ?こんな感じに」とお腹をちょっとつまむ彼女におされっぱなしです。

 

本当は無いところにある脂肪Ⅱ異所性脂肪

「いやいや、そこじゃないんですよ」と、私は絵を描いて説明することにしました。
彼女のつまんだお腹の皮肩のふくよかさは、皮下脂肪です。
皮下脂肪はもともと皮層の下にある脂肪組織が厚くなってできたものです。
女性はもともと男性よりも皮下脂肪が蓄積していて、丸みを帯びた女性らしい美しさを支えています。
女性の皮下脂肪は、コントロールされた脂肪組織内に蓄積された脂肪なので、溜まるべきところに溜まった脂肪であまり悪さはしません。
皮下脂肪や内臓脂肪が満杯になって、さらに脂肪の蓄積が増加すると、本来溜まるべき場所でないところに脂肪が蓄積するようになります。
それを「異所性脂肪」といいます。
異所性とは、本来無いはずの場所、といった意味合いです。

異所性脂肪と動脈硬化

異所性脂肪は臓器障害を起こします。
本来の脂肪組織は脂肪そのものが持つ毒性を減らすため、脂肪を包み込む形をしています.そういった準備のできない組織に、脂肪がそのまま蓄積すると脂肪は毒性を発揮します。
異所性脂肪の中に含まれているマクロファージという細胞が炎症を引き起こす主役すがなみたかよしではないかといわれています。
東京医科歯科大学難治疾患研究所の菅波孝祥先生は、ナッシュにおけるさまざまなマクロファージの分子生物学的な経路を報告しています。
正常な脂肪組織と異所性脂肪の違いの鍵は、マクロファージという細胞が握っています。
また、脂肪組織からは、アディポサイトカインというホルモンが分泌されます。
アディポサイトカインは特殊なものではなく、多くの種類が常に分泌されています。
アディポサイトカインには悪玉と善玉があるのですが、異所性脂肪は悪玉アディポサイトカインを分泌して動脈硬化を進行させます。
もともと心臓や騨臓、血管の壁などにはあまり脂肪は蓄積されていません。
肥満が進んでくると心臓や血管が脂肪でくるまれるようになります。
冠動脈の外側に異所性脂肪が付着するようになると、冠動脈の動脈硬化が進行します。
肝臓も同じです。
肝臓の細胞は余ったエネルギーを一時的に脂肪にして蓄えますが、肝臓の細胞は、脂肪を蓄えたり使ったりするのが専門の脂肪細胞ではありません。
そのため、脂肪肝も異所性脂肪の一つで、炎症を起こしたものがナッシュだったのです。
ケーキは油脂と砂糖、つまり炭水化物をいっぺんに食べる食べ物です。
体は砂糖を先に使うので、脂肪が蓄積されるパターンの食べ物です。
英語で一切れのケーキといいますが、この言葉には「朝めし前の簡単なこと」という意味もあるそうです。
ケーキ一切れで、朝めし前に簡単に高カロリーが脂肪として体に蓄積されるとは皮肉なものです。
肝障害は、糖尿病をさらに悪化させるのでナッシュの彼女は糖尿病になりつつあったのです。

 

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